日時:2006年11月5日(日) PM2時〜
会場:ハーモニーホール 小ホール
主催:秀林館バイオリン教室
-ご挨拶-
 かつて休養をかねて入院したことがあります。入院中は自由な時間がたっぷりあるもので、私はバッハの楽譜を読んだり『枕草子』などの古典を読み漁ったりと充実した日々を送ることができました。そうしているうちに、ふと他の入院患者さんを眺めたら。皆さん一様に退屈そうで、することがなく時間を持て余しているのです。「この人達の余暇とは?老後とは?」と、他人事ながらヒヤリとした記憶があります。退院以後、さらに私は感動できる泉を掘り当てるのに懸命になり、今日に至っています。

 「予(よ)が風雅(ふうが)は夏炉冬扇(かろとうせん)のごとし。衆に逆(さか)ひて用(もち)ふるところなし」(芭蕉『柴門の辞』)─「私の芸術は、夏のストーブや冬のクーラーのようなもので世間の求めに逆行していて役に立たない」と芭蕉は言います。彼の芸術の純粋さをあらわした逆説の言葉として有名です。たしかに、漱石を読んだところで金は儲からず、古今和歌集を愛読しても拉致問題は解決しません。

 しかし、ソ連が崩壊したとき、その日の夕食パン代を節約してでも演奏会に出かけた人達を見た私には魂の根源的な飢餓状態を見た思いがしました。人は日常の仕事や悩みに忙殺されているとき、ふと自分の人生の深淵を覗(のぞ)いてしまう瞬間があるものです。そのときに本当の底力(そこぢから)になるのが夏炉冬扇(かろとうせん)の風雅(芸術)であることを痛感します。あの西行(さいぎょう)が武士の地位と妻子を捨てて和歌の世界に没入していった原動力は、単なる趣味人の道楽ではないはず。おそらく命がけで求めたのだろうと私は共感するのです。

 さて、バイオリンという夏炉冬扇。良くぞめぐり合えたものです。みなさんは今後どんなすばらしい水脈を掘り当てるのでしょうか。ミューズの女神は、その努力を決して裏切ることはありません。
秀林館代表 北川 昇
-プログラム-
1.キラキラ星変奏曲 イ長調
2.
キラキラ星変奏曲 イ長調
3.
キラキラ星変奏曲 イ長調 & テーマ イ長調
4.
ロング・ロング・アゴー イ長調 / ベイリー
5.
かすみか雲か イ長調 / 外国民謡
6.
ロング・ロング・アゴー イ長調 / ベイリー
7.
フランス民謡 イ長調
8.
メヌエット 第一番 ト長調 / J.S.バッハ
9.
メヌエット ト長調 / J.S.バッハ
10.
ユーモレスク ニ長調 / A.ドボルザーク
11.
ガボット ニ長調 / J.B.リュリ
12.
ガボット ニ長調 / J.S.バッハ
13.
バイオリンソナタNo.3 第二楽章 ヘ長調 / G.F.ヘンデル
14.
無伴奏チェロ組曲第三番よりブーレ ト長調 / J.S.バッハ
15.
バイオリン。コンチェルト イ短調より第一楽章 / A.ビバルディ
16.
アリア ト短調 / J.B.セナリー
17.
バイオリン。コンチェルトNo.5より 第一楽章 ニ短調 / F.ザイツ

休憩

18.ラ・フォリア ニ短調 / A.コレルリ
19.
2つのバイオリンのためのコンチェルトより 第一楽章ニ短調 / J.S.バッハ
20.
ガボット ト長調 / P.マルティーニ
21.
教会カンタータBWV.147より 「主よ人の望みの喜びよ」 ト長調(合唱付き) / J.S.バッハ
22.
アヴェ・ヴェルム・コルプス K.618 ニ長調 / W.A.モーツァルト
23.
管弦楽組曲No.3より 「アリア」 (G線上のアリア原曲) ニ短調 / J.S.バッハ
24.
カノン ニ長調 / J.パッヘルベル

◆グレード表彰式
◆記念撮影

※プライバシーの都合上、演奏者の氏名は省いております。

○ピアノ伴奏: 吉田 真里子 先生 ○合唱: 「禎子先生と愉快な仲間たち」
発表会での演奏
"カノン ニ長調 "
J.パッヘルベル-
発表会での演奏
"アヴェ・ヴェルム・コルプス"
-W.A.モーツァルト
2006 / 2007 / 2008 / 2009 / 2010 / 2011

-福井市 秀林館バイオリン教室-